【稲盛ライブラリールポ】
経営哲学で企業に揺るがぬ基盤を築き
14言語に翻訳しグローバルで共有し
没後も仕組みとして機能し続ける
Al時代の働き方が変わっても
稲盛哲学の本質は変わらない
日本の京都南部の伏見区。 京都では珍しい高層ビルである20階建ての京セラ本社に入ると、真っ先に目についたのは京セラの創業から現在までを示す「ファインセラミック館」だった。
1998年に設立されたここは、京セラの出発点を示している。 「ファインセラミックス」という言葉自体も創業者である稲盛和夫が1973年に直接作った用語だ。 単なる産業用セラミックではなく、不純物を除去した高純度素材に先端配合技術を結合した未来型素材という意味を込めた。
展示場では各種セラミック部品を見ることができた。 ダイヤモンドに次ぐレベルの硬さ、摂氏1200度以上の耐熱性、酸やアルカリ、体液にも腐食しない耐食性など、セラミックの核心的な性質も一目で分かった
稲盛ライブラリーの橋浦佳代館長は「京セラのファインセラミックスはICパッケージと人工関節、太陽電池、深海探査装備、核融合炉部品にまで使われている」とし「日本の宇宙探査船はやぶさとすばる望遠鏡支持構造物にも適用された」と紹介した。
ファインセラミックスにも試行錯誤の歴史はある。 1970年代の石油危機の時、職員のアイデアでセラミック碁石を作った。 問題はこれがあまりにも硬く、碁を打つたびに碁盤を傷つけたために商品化には失敗したということだ。
京セラは1959年、従業員28人、資本金300万円(約2800万ウォン)でスタートした。 創業製品はテレビのブラウン管用セラミック絶縁部品だった。 当時、オランダのフィリップスから輸入していた部品を国産化し、市場に参入した。
稲盛創業者は元会社員の松風工業でセラミック技術を研究し、創業前に松下電子工業(現パナソニック)から納品の約束を取り付け、初年度から黒字を出すことができた。
京セラを世界市場に押し上げたのは1966年、米IBMから大型コンピューター集積回路(IC)用セラミック基板2500万個を受注したことだ。 日本国内の下請け業者水準だった会社がグローバルサプライチェーンに編入される瞬間だった。
京セラ本社の隣には2013年に開館した稲盛ライブラリーもある。 年間訪問客が2~3万人に達するが、中国人訪問客が特に多く、韓国修学旅行団もよく訪れる所だ。
8階建ての建物に展示空間は5階建てで構成されているが、最も印象的なのは5階の執務室再現空間だ。 本社19階にあった創業者稲盛の執務室をそのまま移したのだ。 机と書類箱、メモ用紙の位置まで同じだ。
創業者の稲盛は2022年永眠した。 彼の死後も彼が残した経営哲学は着実に継承されている。 職員たちは都度会議と朝会の時間に稲盛哲学が整理された「京セラフィロソフィ手帳」を読む。
橋浦館長は「一つの文章を読んでそれを自身の業務にどのように適用するかを討論することが日常」とし、「現在、韓国語を含め14ヶ国語に翻訳され全世界の事業拠点で使用中」と話した。
これは創業者の考えをどのように次の世代に伝えるかについて知りたがる韓国経営者たちに対するヒントになりうる。 答えは文書化し、繰り返し、日常に溶け込むことだ。
人工知能(AI)時代にも稲盛経営哲学は通じるのか。 橋浦館長は「本質は変わらない」と強調した。
それと共に彼女は「人間として正しい判断を下し、倫理を重視して積極的に挑戦するという根本は時代が変わっても同じだ」として「ただし仕事のやり方は変わることができるが、その変化を理解しどのように伝達するかはリーダーの役割」と付け加えた。
創業者の稲盛一家の中には現在、京セラで核心的な役割をする人がいない。 橋浦館長は「稲盛は創業初期から家族経営をしないという原則が非常に強かった」として「京セラは個人の会社ではなく全従業員の会社という考えを最後まで維持した」と説明した。



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